「面会交流」とは、子どもと離れて暮らしている父親または母親が子どもと定期的継続的に面会をする権利です。離婚は夫婦の問題ですが、子どもにとって両親であることに変わりはありません。子どものことを第一に考え取り決めることが重要です。
基本的に面会交流の拒否はできません。面会交流は子どものためのものであり、子どもがどちらの親からも愛されていることを実感し、信頼できる親子関係を築くためにも大切です。
面会交流の決め方
面会交流を行うには、まずは夫婦が話し合いをし、方法やルールなどを決めます。
具体的な取り決め事項としては
①頻度(月に〇回、第〇日曜日、など)
②時間(1回につき〇時間、×時から△時まで、など)
③場所
④祖父母の面会を認めるか
⑤宿泊の可否
⑥学校のイベントなどの参加
⑦面会交流の方法(対面、電話、メール)
⑧面会交流に関する連絡の手段
⑨子の意思
などが挙げられます。
面会交流の話し合いの際、養育費の支払とセットで交渉されることがありますが、養育費と面会交流は別のものですので分けて考えます。「養育費が支払われないから面会させない」「面会できなかったから養育費を支払わない」ということにはなりません。
話し合いがまとまらない場合は、調停申し立てをします。
面会交流の拒否
面会交流は原則的には拒否できません。たとえば別居する父親が面会交流を求めているのに、親権を持つ母親が正当な理由なくこれを拒否し続けた場合などは、父親の権利を侵害したものとしてそれ自体が不法行為になり得ることもあります。ただし、子どもの福祉に反する場合は面会交流を制限されることもあります。
面会交流が認められない場合
面会交流は、子どもの福祉や利益を優先して決定します。子どもに会いたいという親の権利であるとともに、子どもの健全な心身の発達に必要な子ども自身の権利でもあります。しかし、子どもと会わせることに問題がある場合、すなわち子どもの生活に悪影響を及ぼす場合などは認められないこともあります。
・子どもに暴力を加えたり、虐待したりする可能性がある場合 |
・面会交流の時に子どもや親権者に暴力を加えたり、力づくで子どもを連れ去る可能性がある場合 |
・子どもが自ら会いたくないと言っている場合 |
面会交流のための第三者機関
面会交流が必要だとわかっていても「相手と顔を合わせたくない」「子どもを預けることが不安」などの思いで実施に踏み切れない方もいらっしゃると思います。そのような場合は、面会交流の第三者機関を利用する方法もあります。自治体や各種法人(社団、公益、NPO)などがあり、面会交流がスムーズに行えるよう当事者の間に入ってサポートをしてくれる機関ですので検討してみてはいかがでしょうか。