養育費とは

養育費とは、子どもを育てていくための養育に要する費用です。子どもを引き取り養育する親から、もう一方の親に対して請求するのが一般的です。養育費は子を扶養するためのものであり、厳密にいうと面倒を見ている方の親が子の代わりに支払い請求を行うということになります。金額は親権に関係なく、両親の経済状況に応じて決定します。また、子どもが経済的・社会的に自立するまで、いわゆる社会人になるまでに必要な費用ですので、単に年齢だけでは決められません。

具体的には ①衣食住 ②教育費 ③医療費 ④適度な娯楽費 などが挙げられます。

養育費の相場

養育費の相場として法律に規定はありません。基本的には夫婦の話し合いで決めます。子ども一人につき2万円~5万円程が多いようです。裁判所が示している「養育費算定表」などを参考にするのもよいでしょう。ただし、公立の小中学校へ進学することを前提にしているようです。私立学校の場合、部活の有無、塾、習い事などを考慮して決めることになります。

算定表はあくまで目安ですので、それより高くても、安くても、夫婦お互いが合意でき実現性が高いのであれば構いません。

養育費の支払方法と支払期間

支払期間としては、一般的に成人するまでとすることが多いようですが、子どもの状況により変わります。

また、支払方法は通常「1ヶ月ごとに〇〇円」といった分割にしますが、養育費不払いを恐れ一括で請求する場合もあります。ただし、一括の場合は贈与とみなされ贈与税が発生する可能性もありますので注意が必要です。

養育費の変更

一度決めた養育費の支払条件は、父母や子どもに事情変更が生じた場合、変更することもあります。例えばどちらかが再婚、病気、失業など生活上の事情が変わった、子どもが大病をして入院費が必要、大学に進学した、などです。

但し、変更する場合はまず父母の間で話し合い、それでも協議がまとまらない場合は家庭裁判所に調停又は審判を申し立てることになります。父母両方の生活状況を踏まえた上で、負担が公平になるように養育費の額を変更することになります。

増額請求の主な理由 減額請求の主な理由
・入学金など、子の進学に伴う学費の発生 ・支払う側が病気や怪我で収入が低下した
・子の怪我、病気、入院などで大幅な医療費が発生 ・再婚をした
・受け取る側が病気や怪我で収入が低下した ・受け取る側の大幅な収入の上昇

養育費の不払い時の対処方法

離婚をして生活が別々になると、はじめは順調に支払われていた養育費がたびたび遅れるようになり、そのうち全く支払われなくなった、という声をよく聞きます。

離婚時、夫婦間の口約束だけでは強制的に支払わせることはなかなかできません。公正証書や離婚調停調書などで裁判所に対し強制執行の申立てをすることができます。